こちらの記事ではダークでシリアスな世界観が話題の乙女ゲーム『OVER REQUIEMZ(オーバーレクイエムズ)』について、実際にプレイした感想を書いています。
シナリオの魅力やキャラクターの深堀り、バッドエンドの描写や注意点まで、ネタバレなし/ありの両方の視点で紹介していきます。
プレイを迷っている方や、買う前に雰囲気だけ知っておきたい方に向けて、本作の特徴やおすすめポイントも解説しています。
- バッドエンドやシリアスな展開の描写が好き
- 愛ゆえの歪み、ヤンデレ、闇堕ちが好き
- 泣きたい、感情を揺さぶられたい人
- グロテスクな描写も受け入れられる(過激な描写があるルートがあるため、苦手な方は注意)
- 攻略を見ずにカジュアルに乙女ゲームを楽しみたい
- ビジュアルやキャラクターデザインに惹かれる
- 吐息やリップ音など、音声演出が濃いめの作品に魅力を感じる
OVER REQUIEMZ(オーバーレクイエムズ)とは?【基本情報】

タイトル
OVER REQUIEMZ(オーバーレクイエムズ)
ジャンル
真相か闇堕か選択を迫る恋愛アドベンチャーゲーム(ADV)
原作
オトメイト(アイディアファクトリー)
プレイ人数
1人
CERO区分
D(17才以上対象)
- 企画・原案・ディレクター
細谷博子さん - キャラクターデザイン・原画
風李たゆさん - シナリオライター
根岸十郎さん
実際にプレイした感想・評価ポイント(ネタバレなし)
シナリオ・世界観の魅力と特徴
- 舞台は国王と4人の魔女が治める異世界「オズ」。
- 主人公は現代日本からオズの国に迷い込み、理不尽にも死罪を言い渡される。
- 死刑囚となった4人の青年(いずれもかつて人を手にかけた「殺人鬼」)と、監視役の魔女ドロシーと共に、危険な廃墟調査の旅に出る。
1人の攻略キャラにつき、プレイ時間はだいたい約8時間ほど。
全エンドを回収するとトータルで40時間前後のボリュームでした。
基本的にテンポよく進む会話が中心の構成で、ノベルゲームのような重たさはあまりなく、ライトに楽しめました。(ただし、内容はかなり重め)
攻略対象1人あたりのシナリオ分量は、個人的には「もう少し読みたい」と思うくらいのちょうどいい長さ。
ダラダラと長引くこともなく、ストーリーとしての起承転結もきちんとまとまっています。
ダークな流れにもなるのですが、コメディパートでほのぼのとした気持ちで見れる場面もあり起伏があってよかったです。
真相ルートと闇堕ルートが分岐する構造
オバレク最大の特徴とも言えるのが、各キャラクターに用意された「真相ルート」と「闇堕ルート」。
攻略対象1人につき、真相ルート2種類+闇堕ルート2種類=合計4エンドが用意されており、かなりやりごたえがあります。
ただし、素直に「ハッピーエンド」と言えるのは1種類となっていました。
幸せとは言いがたい結末や、心がえぐられるような展開が待っています。
正直、購入前は「闇堕ちルートが自分に耐えられるかな……」と悩みました。
ですが、いざプレイしてみると、予想以上に作り込まれたシナリオやキャラクターの魅力に満足度が高く、プレイして良かったな〜!と思える作品でした。

私自身ハッピーエンドの方が好きですが、オバレクの闇堕ルートはシナリオもしっかりしていたので楽しめました
キャラクターの精神が崩れていく描写や、シナリオの切り口がとても様々で、重たさはあるものの“ただ鬱になるだけ”ではない深みがあります。
とはいえ、闇堕ちルートはかなりヘビーな内容なので、グロテスクな描写や精神的な負荷に抵抗がある方は注意が必要です。
自由な選択肢とプレイしやすさ
もう一つうれしいポイントは、選択肢の影響が大きくないところ。
基本的には「真相ルート」か「闇堕ルート」かを分ける重要な選択肢以外は、好感度などに関係なく好きなように会話を選べます。



攻略を見ながらプレイする必要が全然ないから、ストレスフリーやったね
真相ルートの重みが際立つ構成
個人的に印象的だったのは、「闇堕ルート」を見た後に「真相ルート」を進めたときの感情の振れ幅です。
闇堕ちルートの彼らの姿を見たあとだからこそ、真相ルートで描かれる“救い”や“希望”が、何倍にも重く、胸に刺さりました。



「どうか幸せになってくれ……」という気持ちでいっぱいになります
世界観や設定について
全体としてシナリオや世界観の軸はしっかりしていて、テーマ性の強さも魅力です。
ただし、細かい設定や展開の整合性に少し粗さを感じる部分もありました。
あまり深く考えすぎると矛盾に気づいてしまうかもしれませんが、それも含めて“乙女ゲームらしさ”と割り切れば気にならないレベルです。
攻略キャラクター・声優一覧とルート解説
攻略対象は5人。
キャラクター | 名前 | 声優 |
---|---|---|
![]() ![]() | カイゼ・オズマ | 阿座上 洋平さん |
![]() ![]() | クロード・グレイン | 古川 慎さん |
![]() ![]() | モリィ・ウッドランド | 石川 界人さん |
![]() ![]() | ノイル・ベスティア | 鈴木 崚汰さん |
![]() ![]() | ドロシー | 堀江 瞬さん |
『OVER REQUIEMZ』では攻略制限が一切なく、1周目からどのキャラクターでも自由に攻略可能です。
公式からおすすめの攻略順も特に指定されていないので、気になるキャラからどんどん進めてOK。
ただし、物語の“真相”に深く関わるキャラクターも存在するため、世界観や謎をじっくり味わいたい方は「ドロシー」を最後に攻略するのがおすすめです。
攻略対象キャラクターとの恋愛過程は、ふとした瞬間にドキっとする→恋に落ちていくみたいな流れ。
まぁ一緒に旅をずっとしているとそうなるよね〜と思いながらプレイしていました。
一方で、中には序盤から好感度が高く、なぜそこまで想われているのかが分かりづらいキャラもいたのが正直な感想。
プレイヤーとしては「えっ、いつの間にそんなに好きになってたの!?」と少し戸惑う場面もありました。
糖度は真相ルートがあっさりめ、闇堕ルートが甘めです。
スチルについて
プレイ前は「絵柄があまり好みじゃないかも……?」と思っていたのですが、実際にプレイしてみると立ち絵や表情差分の美しさにどんどん引き込まれていきました。
スチルも同様で、闇堕ルートだからといって暗い雰囲気一辺倒ではなく、ドキッとするようなシチュエーションや、真相ルートではときめくようなシーンもたくさん収録されています。
ストーリー攻略後の特典
ストーリーを攻略すると、特典として各キャラクターの「テーマ別ボイス」を楽しむことができます。
「可愛い」「がんばりを褒める」など、なんと全36テーマのボイスが収録。
ストーリーを攻略後は、特典として各キャラクターのテーマごとのボイスを聞くことができます。
ボリューム満点で、まさに耳が幸せ……!
推しの新たな一面を堪能できる、ご褒美のようなコンテンツでした。
ただし、ショートストーリー(後日談などのテキスト要素)は残念ながら収録されておらず、そこは少し物足りなさを感じた部分。
その分、今後ファンディスクでの追加ストーリー展開に期待したいところです。


ネタバレあり感想・印象に残ったエピソード
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体裁のない
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初見でサイトやプロモーションムービーを見た時は、「イラストが好みじゃないかな?」と思っていたけど、実際にプレイしてみると立ち絵やスチルがとても綺麗でびっくり!
まばたき、口パクもあって良き。
主人公ユヒルちゃんも可愛くて、ずっとヒロインフェイスONにしてました。
カイゼ
この人絶対おもしれー男っぽそうと思いカイゼから攻略スタート。
顎クイされてテンション爆上がり。
そのままノリノリで「弄ばれたい」を選択することもできるという自由さが、やっぱり素敵なシステムだなあと感じました。
闇堕ルートでは理不尽な展開の連続で、ちょっと国民がアホすぎないか?(・・;)と思いつつも、これだけ国民に嫌がられたらそりゃ闇堕ちするわな、という感じでした。
あと、闇堕ルートはリップ音と囁きボイスが豊富!性癖に刺さる…!
Nエンドでは一瞬「いいエンディングになった?」と思ったらまさかの…。あれはキツい。
カイゼの闇堕ルートが一番ホラー感が強かったかなw
恋愛描写は自然に惹かれていく感じかな?と思いきや、ちゃんと「好きだ」と言葉で伝えてくれるのが良かった!
ただ、真相ルートでアクレイと戦う時、「タワーから突き飛ばしてもカイゼが助けられるやん…?」と冷静に思ってしまった。
Bエンドは余韻がすごいんですが…!思わせぶりすぎて…FDで会えるって思っていいんですか…!
真相ルートの中でもOエンドが一番ハッピー。
そしてここで気付く、オバレクのハッピーエンドは各キャラ1種類しかないのだろうと…(´;ω;`)
ドロシー
この見た目で一人称「俺」は反則。お嬢様って呼ばれるのもギャップ萌え。
なんで「お嬢様」って呼んでるんだろうと疑問に思っていたけど、まさか、そんな、ドロシー…っ!!(悶え死ぬ)
ドロシーは闇堕ルートに入ってないのに突然BGMが消えて不穏な空気になったりして、焦ることがあった…(笑)
途中、「俺じゃない誰かと一緒に散歩がしたかったんですか?」の“〜ですかぁ?”の語尾が最高で何度も聞きました。
あと、「いい子いい子」とかしてくれて本当に耳から幸せなキャラクターだった。好き。
ドロシーは主人公に存在を引きずって欲しくて刻み込みたい男なんだね…優しいヤンデレだ!(錯乱)
優しいヤンデレかと思いきや、バッドエンドではドロシーを怒らせてしまって大変なことに……。
ドロシーの闇堕ルートではとにかく主人公がボタンのかけ間違いをしまくった結果ドロシーがああなってしまった、っていう感じだった。間違った選択をしすぎちゃった。
もうドロシーに「…は?」って言わせないで!怖いから!
でもユヒルちゃんを鎖に繋いで傷つけるのは自分の腕っていうの優しすぎて好き。
闇堕ルートの「嘘に決まってるじゃないですか」の破壊力がえぐすぎて……っ。ここでその言葉使ってくるの!?
真相ルートでは真実が次々に明かされていって、破壊力がやばかった。
トウト…まじでつらい…トウトに対してクソデカ感情を抱きつつある…。
闇堕ルートでは知れなかった真実が明かされていくのがもう辛い。
トトって名乗ったこととか、靴のプレゼントとかさ…。
1000年さまよってやっと会えたんだから、そりゃ思い出して欲しいよなぁ。
もうドロシーのルートはオバレクの真相ルートやん…。
2人で幸せになろうね…。
あと真相ルートでユヒルちゃんが「靴に願いをかけるのじゃなくて自分の足で歩かないと!」ってなるところ、強い精神を持ってて好きだった。
モリィ
声が綺麗系の頼れるお兄さんだァ〜〜美しくて好き。
この人にはどういう事情があるのかな?と思ってたらまさかの人形で、しかも生前は暗殺者…あ〜好きです、好きです。
モリィは甘やかしてくれるタイプ。「よしよし」されるの、良すぎる。
ただし、眼球抉ろうとするシーンがあるのはほんと無理…未遂で終わって本当に良かった…。
モリィ闇堕ちルートではユヒルちゃんがトラウマ背負いすぎてて、確かにモリィがかわいそうやなぁ…と思う。介護疲れみたいな…。
モリィのYエンドでユヒルちゃんがドロシーのこと忘れてるのも精神的にきつかった……ユヒルちゃん、色々やらかしてる。
ただガラスを溶かすフッ素化合物で痛みを感じるのか?とか、生前の目玉で目が見えるようになるのはおかしいやろとか、若干ツッコミどころもありつつ…という感じでした。
モリィの闇堕ルートが1番グロテスクだったなぁ。
真相ルートで聞ける「だから安心して……くたばれ」のセリフがかっこよぎた。
くたばれって言うキャラ良いよね。
クロード
無自覚イケメンです。はい、めちゃくちゃ良かった。
性格もイケメンでユヒルちゃんを人の目から庇ってくれたりして、優しくて好きだった…!
あと、キスや吐息感がいちばん濃厚なのはクロードかなぁ…っ!素晴らしかったです。
クロードRエンドは最後までユヒルちゃんを裏切るんやろ…って思ってしまったけど、まさかのほんとに改心してた(笑)
もうカイゼとドロシーの闇堕ルートでみんなを信じれなくなってしまったよ。
クロードの闇堕ちは束縛系で俺だけに頼れっていう感じなのも優しくて良かった。
クロードのRエンドが一番優しい闇堕ルートかも。
そして真相のハッピーエンドも良かった…もうずっと幸せに暮らせ…無自覚イケメン最高でした。
ノイル
ベスティアって名前からして獣人だったりします?と思っていたけど、まさか闇堕ちは主人公食べちゃう系なのね!
この見た目で料理好きなのが可愛い。
オバレクはキャラ設定が本当にいいんだよなぁ。5人ともキャラがすごく立ってる。
喧嘩っ早い感じで喧嘩腰の時の声とかもカッコいい。
闇堕ちルートでは殺してくれって好きな人から言われるのがめっちゃつらかった。
Yエンドでは食べられなかったのが意外な展開だったんだけど、最後の最後、エンディング後の言葉でゾワゾワした…!
プレイし終わった後は5人全員に愛着を湧くぐらい、どのキャラクターも魅力のある人たちでした。
立ち絵イラストで誰か気になるキャラがいたらプレイしてみるのがおすすめ。
オバレクの沼にハマること間違いなし。
FDを楽しみに待ってる…!
彼らの幸せなエンドのその先を見たい…ッ!
まとめ:『オーバーレクイエムズ』はこんな人におすすめ!
『オーバーレクイエムズ』は、以下のような方に特に刺さる作品だと思います。
- バッドエンドやシリアスな展開の描写が好き
- 愛ゆえの歪み、ヤンデレ、闇堕ちが好き
- 泣きたい、感情を揺さぶられたい人
- グロテスクな描写も受け入れられる(過激な描写があるルートがあるため、苦手な方は注意)
- 攻略を見ずにカジュアルに乙女ゲームを楽しみたい
- ビジュアルやキャラクターデザインに惹かれる
- 吐息やリップ音など、音声演出が濃いめの作品に魅力を感じる
バッドエンドは本気でしんどい。
でもだからこそ、キャラと主人公が幸せを掴み取ったときの感動もひとしおです。
逆に、軽めの恋愛やコメディ、ハッピーエンド一択が好みの方には、やや重たすぎるかもしれません。
ただし、心の奥をえぐるような切ない愛の物語を求めているなら、間違いなくおすすめの一作です。


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